story 84

2022.03.27

 

先日ご来店頂いた男性のお客様が「今年で定年なんです!」って話しをされてました。

そして帰り際に、「あと実はこの3月で須崎にお願いしてちょうど30年なんですよ!」と。

 

その後奥様もご来店になってその話をしたところ、

「娘を連れて来たのが4歳の時で今24だから、娘で20年なんだからそれくらいにはなりますよね〜!」

「まだ私が来た時はオペラってお店でしたもんね!」と。

大学生になる息子さんもご来店頂いていて、ご家族で長年足を運んで頂いていますが、そんな風にお客様に言われると、改めて長い年月を通って頂けることに感慨深さを感じます

ご主人は定年後も同社で期間契約をされて働かれるそうですが、将来への不安やご自身の生き方みたいなことも考えていて、そんなことも話してくださいます。

 

僕の場合は経営側に軸を置き、今では僅か週二日のサロン出勤ながらも、そうやって都合を合わせて長年通って頂けるお客様がいます。

僕の歴史(笑)も、それこそ上の幹部の若い頃も知っていて、僕というよりGARDENというお店全体を応援してくれている方々です。

 

僕も若い時に圧倒的に新規を集客して、今のリードデザイナーの様な売り上げを上げていた時期がありました。

美容師は売り上げがイコール収入である以上、そこは頑張らないといけないところではあります。

 

でも長くお付き合いさせて頂く中で、お客様との間に独特の関係が生まれて行きます。

もちろんお客様としての適度な距離感は保ちつつも、それだけではない関係性も生まれて、「家族」でも「親戚」でも「友人」でもないけど、、みたいな(笑)。

僕はそれこそが何にも変えがたい「ご縁」であるし、ただただヘアデザインを任されるだけを越えた時に「熱狂的なファン」という関係が生まれて、自分の人生を支えてくれるものだと思っています。

 

そんな方々を振り返った時に、特に美容師として特化していたわけじゃない自分を、なぜそこまで支えてくださるのか?を考えます。

自分より経験があって上手い美容師が溢れるほどいる中で、お客様が自分を選んでくださる理由は、他の美容師よりも真摯にお客様のことを大切に思っているか?!

明日予約の入っているお客様の顔を思い浮かべて、前回のリクエストや会話を思い出し、今回どんな提案をするか想像できてるか?

悩みや問題があった時に本気で解決してあげようと取り組んでいるか?

 

自分がお客様だと想像すれば簡単で、「上手い美容師」よりも「自分の事を本気で考え大切にしてくれる美容師」を選ぶもの。

もちろん経験や技術を人以上にブラッシュアップさせて行く陰ながらの努力も必要だけど、そんな努力自体も実は伝わるものです。

 

そんなお客様に対する「姿勢」みたいなことを先輩たちから学び、次世代に繋いで行くのがGARDENだと思っています。

美容師の「初心」とはどういうこと!?

その「初心」をいつまでも忘れず、、というか過去の自分の「初心」を超えて行ける熱量を持ち続けられるか?

その「差」だと思います。

 

特別なことや才能なんて実はあまり関係無くて、長い目でみればそんな「当たり前なことの積み重ね」が自分を大きく成長させるものです

大きな未来を描くことも大切、それは自身の心の支えとなり、そこに向かうモチベーションが行動を起こさせるエネルギーになります。

でも毎日の「当たり前の繰り返し」という「行動の実績」があって結果前進して行くもの。

GARDENのスタッフには改めてその「初心」を感じて欲しいと思います。