story 13

2021.04.16

 

また19歳の僕に戻ります(笑)。

 

夜バイトしていたのはいわゆる「近所の飲み屋」

スナックみたなものでママさんが居てあともう一人が料理とか作れる人と僕の人。

 源氏名が必要だとか言われて、なぜか勝手に「竜ちゃん」とか言われていました。(笑)

 近所のお店との付き合いとかも大切みたいで、よく新しいお店がオープンすると僕が連れて行かれたものです。

 

 当時住んでた森下というところは以前はいわゆるドヤ街。

 昔は大阪でいう西成のあいりん地区みたいだったところで、その頃はだいぶ大きな企業やマンションも立ち並んで変わってはいたけれど。

それでもそんな日雇い風のお客様もたくさん来ていました。

 

近くにNTTがあって毎週部長さんとかが数名で来て、一人4、5千円、時にはもっとたくさん使って行く。

 かたや日雇い風のお客様はほぼ毎日のようにくるけど千円から多くても3千円以内。

 見た目や言葉使いも粗くて普通ならちょっと遠慮したいと思う人達、、

 

 ある時ママが、

 「竜ちゃん、NTTのお偉いさんと日雇い風の常連の)~さん、どちらがうちのお店にとって大切だと思う!?」

 僕はどう考えても雰囲気や経済力も含めてNTTのお偉いさん?だと思っていた。

 

 そしたらママが、「サラリーマンなんて会社の経費と立場がなくなったらすぐに来なくなる」

「~さんたちは確かに見た目も仕事もだけど、今日一日働いてなけなし稼いだお金でうちに来ることを楽しみにしている」

「結局どっちも大切なんだけどね~!」

 

なるほど、、、商売にとってお客様とはそういう見方をするんだ、、

 そしてこのママは僕を水商売の世界に引きずり込もうとしてるんだろうか、、、?

 それでもこの時のママの話しは印象に残っていて、

「お客様を見た目で判断しない」

「どんなお客様でも全ては大切で特別なお客様」

 という気持ちが今でも自分の商売の原点になっている。