GARDENに「後片づけ」はありません。 あるのは次への「準備」だけ

お客さまが来店される。受け付けを済ませたあと、カウンセリングをしたらシャンプーをして、カットをする。希望によってはパーマやカラーリングをする。そして再びシャンプー・ブローをして、スタイリング。最後に仕上がりのチェックをしたら、会計をして、見送る。

この一連の流れの中で、スタイリストやアシスタントは、何十、何百もの作業を行う。お客さまに雑誌を出せば、読まれた雑誌を元に戻し、濡れた髪をタオルで拭けば、乾いたタオルを補充する。飲み物を出せば、空いたカップを下げ、髪を切れば、床に落ちた髪を掃く。

お客さまの滞在中、作業のひとつひとつに、すべて片づけが発生する。これを1日に来店したお客さまの数だけ行う。そしてそれを1年間、開店日数分繰り返し、繰り返し、繰り返し行う。

「片づけをいかに素早くキレイにやるか、僕は結構、楽しんでいるんです。床の髪を掃くときは、担当スタイリストの動きの妨げにならないように。髪をホウキで集めるときは、他のお客さまやスタッフの動線をさえぎらないように。どうやって自分とホウキをさばこうか、瞬時に考えて、パパパッと見極めて動く。たとえば、パーマのロッドは、今のトレンドやお客さまの好みを考えて、この太さがよく出るなと思ったら、しまうときに次に取り出しやすいようにキレイに並べたり……。小さなことと言えば、小さいですけれど(笑)、このちょっとちょっとが、次の作業をスマートにしていくのではないかって。いつからか、自分の動きのたったひとつが、サロン全体の大きな無駄を省いて、時間や利益を生んでいくのかもしれないって思うようになったんです。片づけって、ルーティンワークなんですが、実はすっごくクリエイティブなんです」(Ramie アシスタント・寺尾拓巳さん)

他の仕事が入っているスタッフを除いて、その日に出勤している全スタッフで、開店前に掃除を行うのが通例になっているGARDEN。トップスタイリストがトイレ掃除を率先して行う姿を見ると、アシスタントたちは手を休める暇がない。最初は「やらなければならない」と思って行っていた掃除や片づけが、回数をこなすにつれ、そして先輩スタッフたちの姿を見るうちに、自分なりの工夫をプラスして「楽しむ」ことに変わっていく。

後ろ向きな行為はGARDENには、ない。片づけであっても、「後片づけ」ではなく、次への「準備」だ。

GARDENと同じように、「ウチはスタッフ全員で掃除や片づけをしています!」というサロンは多いだろう。けれど、その掃除や片づけは、果たしてGARDENと同じように前向きだろうか。同じ作業でも、向かっている方向が違えば、それに携わるスタッフの気持ちは変わり、それは行動や習慣を変えていく。

たったひとつの「後片づけ」を「準備」に変える。この小さな、けれど大きな違いをGARDENのスタッフは肌で知っている。